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前節や前々節のように、
複素数の偏角を
(あるいは、
など)
の範囲に決め打ちれば、関数
を一価にすることが出来、
の分枝をたくさん考える繁雑さを
なくすことが出来るなど、良いことも沢山ある。
しかし、数学の問題はそれで解決するものばかりではない。
実際、対数の満たすべき大事な法則
も
を
に変えると無条件には成り立たないことがわかる。
(例えば、
である。)
もっと初心に戻って、
が対数関数の逆関数で
あるかどうか調べてみると、
は確かに正しいのだが、
は成り立たない。(例えば
のとき)
このような不便さは、
が
の整数倍の分だけ
不定性を持っていることに起因している。
読者の方の中には、それさえ思い出せば簡単に処理することができると考えられた
方もいらっしゃるだろう。
しかし、こういう基本的なところでさえ
まで戻っているようでは、
とても
だけでは話が済んでいるとは言えないと考えることも出来る。
Yoshifumi Tsuchimoto
2000-04-12