next up previous
Next: 偏角を選ぶことの面倒な点 Up: 対数関数の多価性について Previous: 偏角を一意に決めてみる。

対数関数を一価関数にしてみる。

前小節のように、複素数の偏角を $[0,2\pi)$ (あるいは、 $[-\pi/2,3\pi/2)$ など) の範囲に決め打ちれば、関数 $\log$ を一価にすることが出来る。 そこで、この節以降では、対数関数の実関数による表現

\begin{displaymath}\log(z)=\operatorname{Log}(\vert z\vert)+i\arg(z)
\end{displaymath}

の、$\arg(z)$ の範囲を $[0,2\pi)$ に制限して、$\log(z)$ を一価関数 にしたものを $\operatorname{Log}(z)$ と書くことにする。 この新しい $\operatorname{Log}(z)$ は実数に対する「通常の」対数関数の拡張になっている。 すなわち、$z$ が実数ならば $\operatorname{Log}(z)$ は今までに定義した通常の対数関数に 一致する。



Yoshifumi Tsuchimoto
2000-04-12