Next: 正の数の無理数乗その1(チャチャ編)
Up: 指数関数を簡単な場合からコツコツと定義していく
Previous: 指数関数を簡単な場合からコツコツと定義していく
の整数乗はかけ算を繰り返すことにより簡単に定義できる。
の有理数乗については、3.4 節で述べたような問題があるけれども、
基本的には 3.5 節のように定義すれば良い。つまり、
ただし、
は
乗して
になるような正の
数である。有理数
を
という風に書く方法は (
のように)
無限にあって、その書き方によらずに
が定義される
ことを示す必要がある。(3.4節で見たように、一見当り前に見えることでも
一度確かめておくことを怠ると、間違いをおかす可能性があるから、あなどれない。)
ここでは、
「一般に、正の数
に対して、
乗して
になる正の数は
ただ一つしか無い」ということが、キーポイントなのだ。詳細は
皆さんにお任せしよう。(中間値の定理なんかが、重宝するかも知れない。)
上の定義は指数法則が成り立つようにさだめられたもので、
指数法則を満たすように
の有理数乗を定義し、
しかも
が正の値をとるように要請しようとすると、
その定義は必然的にこうなる。しかし、
の実数乗を定義しようとする
さいには、別の注意が必要になる。それを次の小節で述べることにしよう。
Yoshifumi Tsuchimoto
2000-04-12