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ガウス平面

$f(x)=x^x$ という関数は、$x<0$ においては複素数の値を とりそうだ、ということが本編で分かった。 だからそのグラフを描くには、複素数を図示する方法を知らなければならない。 この小節ではそれについて解説しよう。

複素数 $a+bi$ に対して、$(a,b)$ という平面上の 点を対応させることで、複素数を図示することができる。 そのように考えて、複素数を表現する平面をガウス平面とか、複素平面とかよぶ。 実はガウス平面の便利な点は、 単に複素数の一つ一つを平面上に図示できることだけではなくて、 次のように二つの複素数の足し算やかけ算を幾何学的に意味づけられる ところにある。

ここで、複素数 $z$ の「偏角」とは、ベクトルとしてみた $z$ と、 x軸とのなす角度(を弧度法であらわしたもの)だ。 これを以下では $\arg(z)$ とかく。ついでに言うと、$z$ のベクトルとしての大きさ は、$\vert z\vert$ と書き、$z$ の絶対値、と呼ばれる。上に挙げたかけ算の標語を もう一度これらの記号を使って書くと、

\begin{displaymath}\vert zw\vert=\vert z\vert \vert w\vert, \quad \arg(zw)=\arg(z)+\arg(w)
\end{displaymath}

ということになる。



Yoshifumi Tsuchimoto
2000-04-12