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$e$ の複素数 $z$

前節の「巾級数表示」を使うと、複素数 $z$ に対して、$e^z$ を定義すること ができる。 実際、

\begin{displaymath}e^z=\sum_{n=0}^\infty \frac{z^n}{n!}
\end{displaymath}

の右辺を眺めてみると、これを計算するには足し算、引き算、かけ算、および 極限操作ができれば良いことがわかる。 このうち、複素数を習ったことのある人にとって明解でないのは 極限操作(無限和の部分の収束性)だけだろう。

複素数の極限操作は、実は「複素数の絶対値」を物差しに使うことにより 実数と同様な取り扱いをすることができる。 詳しくは複素解析学の教科書の最初のほうを開いてみて頂きたい。



Yoshifumi Tsuchimoto
2000-04-12