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指数や対数の値を比較するには

筆者も受験のころには変な値も覚えさせられたもので、

\begin{displaymath}\log_{10}(2)=0.3010...
\end{displaymath}

なんていうのも覚えた。 でも、もし、例えば、《 $\log_{10}(2)$ の値を小数第1位まで計算せよ》 という問題が試験に出たとしたら、「覚えているから、これでいーのだ。」 などという理屈は通用しそうにない。

\begin{displaymath}0.3=3/10<\log_{10}(2)<1/3=0.3333\dots
\end{displaymath}

ということを示せば、とりあえず小数第一位までは求まったことになる。 では $3/10<\log_{10}(2)$ を示すには? ここまで来ればもうお分かりだろう。 $\log_{10}(x)$$x$ について単調増加 だから、

\begin{displaymath}10^{3/10}<2
\end{displaymath}

を示せば良い。さらにこれを示すには、両辺十乗して、

\begin{displaymath}10^3<2^{10}
\end{displaymath}

に帰着すればいい。 ということで、解答は次のようになる。


(解答)

\begin{displaymath}10^3=1000<1024=2^{10},\quad 2^3=8<10
\end{displaymath}

だから、辺々の $\log_{10}$ をとって、

\begin{displaymath}3<10\log(2), \quad 3\log(2)<1
\end{displaymath}

ゆえに、 $3/10<\log(2)<1/3$....


結局、指数や対数の定義に戻れば、それなりに計算できるということ。 本節に出て来る話の、特に大きさの評価に関する部分もこのようにして 理解することができる。



Yoshifumi Tsuchimoto
2000-04-12