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コタンジェントバンドルのシンプレクティック構造

$ M$$ C^\infty$ 多様体であるとする。$ M$ のコタンジェントバンドル $ T^* M$ は、$ M$ 上のコタンジェントベクトルのモデュライ空間ともみなせる。 すなわち、$ T^* M$ の上の点 $ (x,p)$ を決めることは、 $ M$ 上の点 $ x$ と、$ x$ での $ M$ のコタンジェントベクトル $ p \in T_x^*M$ とを 与えるのと同等である。$ p$$ T^* M$ に(余接写像で)引き戻すことにより、 各 $ (x,p)$ には「トートロジカルな」余接ベクトル $ \theta_p$ が 標準的に定まることが分かる。$ \theta_p$ は (もちろん) $ p$ に関して滑らかで、 $ T^* M$ 上の 1-形式 $ \theta$ を定める。 この議論から、$ \theta$ の座標表示は、

$\displaystyle \theta=p_idx^i
$

という具合になる。 $ T^* M$ の シンプレクティック構造とは、 $ \omega=d\theta$ によって定められるもののことをいう。 (この定義のいいところは座標のとり方によらないところと、 $ d\omega=0$ が自明であるというところである。 $ \omega$ が実際に非退化であること、および、$ \omega$ の具体的な形については、 やはり座標 で

$\displaystyle d\theta=dp_i\wedge dx^i
$

という具合に計算するのが楽であろう。)



平成16年8月24日