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表現の構成

$ *$ のことを忘れると、 $ A={\Bbb C}[z_i,\overline{z_j}]$ の表現には 4.7 節で述べたものよりも「安直」なとり方がある。 すなわち、

で定義される $ C^\infty($$ \mbox{${\Bbb R}$}$$ ^{n+1})$ 上の表現である。 話を $ L^2$-空間の上ですることもできるが、 無理にそうしても今のところ益は少ないので、 ここでは作用素の定義域の問題を避けるためにこの空間上で話を進める。)

この表現のもとでは、 $ \sum_i z_i \overline{z_i}$ は「オイラー作用素」、 すなわち、関数の「次数」を表す作用素であることに注意すると、 $ A_R$ の表現空間として次のようなものを得る。

$\displaystyle W_R=\{$ $\displaystyle f\in C^\infty($$\displaystyle \mbox{${\Bbb R}$}$$\displaystyle ^{n+1}\setminus \{0\});$    
     $\displaystyle \mbox{${\Bbb R}$}$$\displaystyle _{>0}, \forall x \in$   $\displaystyle \mbox{${\Bbb R}$}$$\displaystyle ^{n+1}\setminus\{0\}) \}$    

もちろん $ z_i \overline{z_j}$ $ x_i d/dx_j$ に対応させるわけである。

上の式で、 generic な $ R$ に対して $ \lambda^R$ を 一意的に定めるために $ \lambda$ が正の実数であることを利用している 点に注意する。 これが、 関数空間として $ {\Bbb C}^n\setminus \{0\}$ 上のものではなく $ \mbox{${\Bbb R}$}$$ ^n$ 上のものを使っている理由である。 さらに、 $ R\mapsto \lambda^R$ は多項式関数ではない。 これらのことが話の代数化をすこしく困難にしている。



平成16年8月24日