Cを複素数体上で定義された,
種数g≧2の非特異既約な射影的代数曲線(コンパクトリーマン面)とする.
Cの自己同型群は有限群で|Aut(C)|≦84(g-1)をみたすが,
一般に群構造まで調べるのは難しい.
実際,任意の有限群が代数曲線の自己同型群として実現できることが知られている.
本講演では代数曲線の自己同型群について概説した後,
Cが非特異平面曲線の場合に自己同型群の群構造の分類を述べる.
その結果,位数のより良い評価が得られ,
自己同型群の大きい非特異平面曲線を決定することができる.
また,より一般に曲線上の線形系と自己同型群との関わりについても触れたい.