「リーマン予想」はリーマンのゼータ関数の零点分布に関連する
予想である.一方,与えられた関数の零点を見つけるアルゴリズム
として「ニュートン法」が知られている.このニュートン法の大域
的性質を調べるのは「複素力学系理論」の範疇である.
本講演ではまず,リーマンのゼータ関数にニュートン法を数値的
に適用した結果を複素力学系の観点から紹介する.次に,講演者が
最近見つけたリーマン予想の力学系的な翻訳を紹介したい.興味深
いことに,この翻訳はある意味で「位相的」であり,写像の正則性,
すなわち「解析的」な性質を用いない定式化が可能なのである.