《多項式環は素元分解環である》
上の定理の系として直ちにわかる次のことは大変基本的で、重要である。
定理 14.1 の証明には、
の素因数分解を利用して
の素因数分解をすることを考える。
そのために次の概念を用いよう。
多項式の係数の「共通因数」をくくり出すことにより、次のことが言える。
(2) は (1)からすぐに従う。
(3):
(a) (b) は補題10.3の (1) から従う。
はユークリッド整域であるから、一意分解環。ゆえに、
(c)
(d) である。
(b) (c):
は
の原始的既約元であるとする。
がもし
で既約でなければ、
(d) (a):
は
の原始的な元で、
の素元であるとする。
なる
があるとすると、
のなかで
考えることにより