微分積分学概論AI要約 No.7

第7回目の主題 : \fbox{級数}

数列 $\{a_n\}_{n=1}^\infty$ に対して、 形式的な和

$\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} a_n =a_1+a_2+a_3+\dots
$

のことを級数とよぶ。このように形式的に 決めたからと言って、その「値」が何もせずに決まるわけではない。 上の級数について、

$\displaystyle s_n=\sum_{k=1}^n a_k
$

で定義される $s_n$ のことをこの級数の部分和と呼ぶ。 部分和からできた数列 $\{s_n\}$ が収束するとき、

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$\displaystyle \lim_{n\to \infty } s_n
\quad \left(= \lim_{n\to \infty } \sum_{k=1}^n a_n\right)
$

で定義される数をこの級数のと呼ぶ。

定義 7.1   各 $a_n$0 以上の時の級数 $\sum_{n=1}^\infty a_n$ のことを 正項級数とよぶ。

有界な単調列は収束することから、次のことが分かる。

命題 7.2   正項級数は、部分和からなる列が有界ならば必ず収束する。

正項級数に限らない級数については、絶対収束の概念が大事である。

定理 7.3   級数 $\sum_{n=1}^\infty a_n$ は、 $\sum_{n=1}^\infty \vert a_n\vert $ が収束すれば収束する。

定義 7.4   $\sum_{n=1}^\infty \vert a_n\vert $ が収束するとき、 級数 $\sum_{n=1}^\infty a_n$ は、絶対収束すると呼ばれる。

「絶対収束する」というのはひとまとまりでひとつの数学用語である。 あえて言えば「絶対値の和が収束している」という言葉の省略に近い。 「絶対に収束する」という言葉とはまったく異なる。

定理 7.5   絶対収束する級数は収束する。

7.6   任意の実数 $r$ に対して、

$\displaystyle \sum_{k=0}^\infty \frac{1}{k!} r^k
$

は収束する。この和を $\exp(r)$ と書く。

問題 7.1   数列 $\{a_n\}$ が、任意の $n\in {\mbox{${\mathbb{Z}}$}}_{>0}$ に対し、

$\displaystyle \vert a_n \vert<\frac{1}{2^n}
$

を満たしているとする。 このとき、 $\sum_{n=1}^\infty a_n$ は絶対収束することを示しなさい。