Next:
About this document ...
体論要約 No.13
今日のテーマ:
3次・4次の方程式の解法
3次方程式
を解こう。
この方程式の根を
とする。 根が何であるか、具体的に知らないわけだが、その存在は既に知っている。
の持つ性質から逆算して、その解き方を見ようというわけだ。
(★)
を展開することにより、いわゆる根と係数の関係
が得られる。
は知っている数だから、
の 基本対称式の値を知っているということになる。
の対称式の値もこれらから(
の値を個別に知らなくても) 計算できる。 したがって、如何にして便利な対称式を作るか、が大事になる。
ラグランジュの分解式
(R1)
を考えてみよう。(ただし
.) これら自体は
の対称式ではないが、
補題
13
.
1
と
はともに
の 対称式である。
実際、
このことから、
を二次方程式
の二根として計算することができて、 あとはその3乗根として
を計算できる。
そこから
を 出すのは連立一次方程式を解けばよい(ラグランジュの分解式二つと 根と係数の関係の一番目の式)ので簡単である。
4次方程式の場合を考えよう。 根を
とおくと、
ここから根と係数の関係が得られ、やはり
の 対称式は
から(
の値を知らなくても) 計算できる。
ラグランジュの分解式として、
をとる。
の基本対称式
はそれぞれ
の対称式になっていることが分かり、したがって
から計算できる。 すなわち、
は
の三根であるから、前段のように巾根を用いて
から計算できる。 あとはその平方根を計算すれば、
が計算されて、 一次方程式の根として
が計算されるという仕組である。
問題
13
.
1
3次方程式の解法において、
の置換(6つある)によって(R1)の分解式
が それぞれどのように変化するか、実際に書き下しなさい。
問題
13
.
2
4次方程式の解法で前問と同様のことを考えてみなさい。