今日のテーマ: 直交射影を表す行列
まずは復習から:
計量ベクトル空間 において、
が計量ベクトル空間、
が有限次ベクトル空間のとき、
を
の正規直交基底に採ると、
は
の元であって、
は
の元、
と分解できるのであった。
は
への直交射影と呼ばれる。
以下では、標準的な内積を用いる。
正方行列 に対して、
の列ベクトルが正規直交系をなすとき、
を直交行列と呼ぶ。
前回までの「やってみよう問題」から:
ある計量ベクトル空間 のベクトル
が、
前回までのやってみよう問題では、上の の代わりに
(ただし、本講義の本題からははずれますが、 このような「長さの二乗にあたるものが 負であるようなベクトルを考えに入れる必要のある系 (不定計量のベクトル空間)」も現代では相対論を始め色々なところで 出てくる興味深いものではあります。)