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論理と集合要約 No.4

第4回目の主題 : \fbox{集合の和集合や共通部分}

まずは論理の復習

問題 4.1   $ \forall x >0( \exists y \in$   $ \mbox{${\mathbb{R}}$}$$ (x>y>0))$ は真だろうか、偽だろうか。 理由をつけて述べなさい。

問題 4.2   $ \exists y >0( \forall x \in$   $ \mbox{${\mathbb{R}}$}$$ (x>y>0))$ は真だろうか、偽だろうか。 理由をつけて述べなさい。

論理復習ここまで

集合の関係を論理で述べることもよくある。

問題 4.3  

$\displaystyle \forall x \in 5{\mbox{${\mathbb{Z}}$}}\text{にたいして} ( x\in 3{\mbox{${\mathbb{Z}}$}})\text{ がなりたつ}
$

は正しいだろうか?

集合と論理とは裏腹の関係にあるのであった。論理の $ \forall$$ \exists$ に対応する集合論的な概念も存在する。

定義 4.1   正の整数の全体 $ {\mbox{${\mathbb{Z}}$}}_{>0}$ の一つ一つの元 $ n$ に対して集合 $ S_n$ が 与えられているとき、集合の $ \{S_n\}_{n=1}^{\infty}$ が与えられているという。

同様に、集合 $ \Lambda$ の一つ一つの元 $ \lambda $ に対して集合 $ S_\lambda$ が与えられたとき、集合の $ \{S_\lambda\}_{\lambda \Lambda}$ が与え られたという。$ \Lambda$ のことをこの族の添字集合と呼ぶ。

もちろん集合列は集合族の特別な場合である。 $ \{S_n\}_{n\in{\mbox{${\mathbb{Z}}$}}_{>0}}$ のことを $ \{S_n\}_{n=1}^\infty$ のように書いているのである。

定義 4.2   集合族 $ \{ S_\lambda \}_{\lambda \in \Lambda}$ にたいして、 その和集合と共通部分を

% latex2html id marker 947
$\displaystyle \bigcap_{\lambda \in \Lambda} S_\lambda
=\{ x ; \forall \lambda \in \Lambda \quad (x \in S_\lambda)\}
$

% latex2html id marker 949
$\displaystyle \bigcup_{\lambda \in \Lambda} S_\lambda
=\{ x ; \exists \lambda \in \Lambda \quad (x \in S_\lambda)\}
$

により定義する。

集合列については、その共通部分

$\displaystyle \bigcap_{n\in {\mbox{${\mathbb{Z}}$}}_{>0}} S_n
$

のことを

$\displaystyle \bigcap_{n=1}^\infty S_n
$

のごとく書くことも多い。和集合も同様。

問題 4.4  

$\displaystyle \bigcap_{n=1}^\infty (0, \frac{1}{n}) =\emptyset
$

であることを示しなさい。 右辺の記号は空集合といって、元をひとつも持たない集合のことをさす 記号である。

問題 4.5  

$\displaystyle \bigcap_{\epsilon>0} (-\infty, 1+\epsilon) =(-\infty, 1]
$

であることを示しなさい。 (左辺は堅苦しく書けば $ \displaystyle \bigcap_{\epsilon \in \mbox{${\mathbb{R}}$}_{>0}} (-\infty,1+\epsilon)$ となるところであるが、上のように省略することが往々にしてある。)



Yoshifumi Tsuchimoto 2016-05-16