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代数学II要約 No.15

今日のテーマ: \fbox{復習}

定理 15.1   PID $ A$ 上の有限生成加群は $ A$ のいくつかの直和と、 $ A/p^eA$ ($ p$$ A$ の素元、 $ p\in {\mbox{${\mathbb{Z}}$}}_{>0}$ ) の形の加群の直和と 同型である。

注意。PID $ A$ の元 $ f,g$ が互いに素ならば $ A/fA \oplus A/g A \cong A/(fg)A$ がなりたつ。

系 15.2   有限生成アーベル群は $ {\mbox{${\mathbb{Z}}$}}$ のいくつかの直和と、 $ {\mbox{${\mathbb{Z}}$}}/p^e{\mbox{${\mathbb{Z}}$}}$ ($ p$ は 素数、 $ p\in {\mbox{${\mathbb{Z}}$}}_{>0}$ ) の形の加群の直和と 同型である。

系 15.3   体 $ \mathbbm k$ 上の正方行列 $ L \in M_n(\mathbbm k)$ が与えられたとする。 $ V=\mathbbm k^n$ $ \mathbbm k[X]$ -加群の構造を

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$\displaystyle p(X).v= p(L) v \qquad (p\in \mathbbm k[X], v \in V)
$

により定義する。このときこの加群 $ V$ $ \mathbbm k[X]/p(X)^e \mathbbm k[X]$         ( $ p(X)$ $ \mathbbm k$ 上の既約多項式、 $ e\in {\mbox{${\mathbb{Z}}$}}_{>0}$ ) の形の $ \mathbbm k[X]$ -加群と同型である。

とくに、 $ \mathbbm k$代数的閉体ならば$ V$ $ V_c^{(e)}=\mathbbm k[X]/(X-c)^e$ ( $ c\in \mathbbm k$ , $ e\in {\mbox{${\mathbb{Z}}$}}_{>0}$ ) の形の加群と同型であり、その適当な基底を選べば $ L$$ V_c^{(e)}$ 上ジョルダン細胞の形で表される。 よって、$ V$ の基底を適当に選べばその基底に対して $ L$ はジョルダンの標準型で表される。



2013-07-26